打ち込んで

先日、国民生活センターが『地震による転倒の防止策-電気給湯設備の貯湯タンクと家具・家電について-』という調査結果を公表しました。

電気温水器やエコキュートの貯湯タンクについて、固定方法の調査や実験を行なった結果です。
東日本大震災や熊本地震の時に貯湯タンクが倒れたりした被害があり、2013年からは国土交通省告示で転倒防止措置がより厳格化(明確化義務化)されました。

詳しい報告は、国民生活センターのHPをご覧頂くとして、100件の調査で63件が告示通りに固定されていなかったそうで。
思ったより多いですね。

告示通りに設置されていないものは、アンカーの本数不足や打込み不足、太さ不足など。

告示よりも前に設置されたものが多いとはいえ、アンカーボルトを使用せず置いてあるだけのものがあったり、打込み不足のものがあったりと、おそらく施工説明書どおりにも施工されていないと思われるものもあったようで。
(告示以前に設置されたものや、但し書きがあるので、告示通りに施工されていないもの全てが違法というわけではありません)
告示後に設置されたものでも9件が告示通りでなかったようですから、割合にして9%。
これもちょっと多いですね。
使用時には500キロ近くにもなる貯湯タンクですから、しっかり固定されていないと、怪我や家屋の破損、機器の故障、避難通路の障害などに繋がるので、あらためて点検して頂くと良いかも。

 
ちなみに振動試験の結果は。
固定して無いものは震度6相当の揺れで転倒。
太さが細いものは、転倒はしないけど、アンカーが浮いたので、余震等が繰り返すようだと転倒に繋がるかも。
打込み不足のものは転倒する場合もあるようです。

 
ところで。
芯棒打込み式アンカーの打込み不足は、公共施設などの大きな現場でもたまに見かけます。
正しい施工を知らないのか、撤去しやすくするためか、力が無いのか分かりませんが、全部打込み不足だったりするので、意図的に打ち込んでいないんですよね―。
なんでだろう。っていつも思います。

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