兜の緒を締めようかと

最近話題のメニューの虚偽表示問題。

こういった不正や偽装は、度々色々な業界で問題が出てきているような気がします。
もちろん僕らの業界でも、誤魔化しや偽装はありえます。
数年前には耐震偽装なんて問題もありました。

原因は目先の利益を優先したとか。
ほんとにうっかりって事もあるのでしょうけど、確信犯的なものもあったり色々です。

その度に制度を厳しくしたりしていますが、いたちごっこの部分もあり、悪意があれば抜け道はいくらでもありそうです。
その場その時は良くてもいつかそれが判ったとき、取り返しの付かない代償を払う事おそれがあります。
それは僕らの仕事だけではなく、今回のメニューの問題もそうでしょう。

どんな業界でも多かれ少なかれそういった可能性はあり、最後はそのお店や会社、人間のモラルや心の部分の問題なんだろうと思います。
「お客様をみて仕事をしているか」なんだと思います。

僕らの仕事も、制度やチェックを厳しくすると、昔からある同じ仕事でも、それを証明するための手順が増えます。
写真であったり、検査であったりの手間が増え(ちゃんとやっている業者からすると余分な手間ばかり増えます)。
昔は一つ聞けば当たり前やっていた仕事を、いつか誰かが手を抜いたり無知だったりして、それが判ると、それをさせない為に、写真や検査をする工程を増やす。の繰り返し。
結果、成果物に影響のない手間ばかりかかり、割高なものができあがっているような…

さらに、デフレ、デフレの空気が安いもの安いものへと気持ちが流れ。
結果、適当な物を安くつくる事が当たり前になっているような雰囲気。
建設業者の数も減っているので、良い仕事をして残っている会社もありますが、新しい素人のような会社もあります。

現場でも、正直酷い仕事だなぁって思う事があります。「同じ値段でこの仕事なら儲かるなぁ」と。
要は手間を減らせば安くなるんです。
建設業は工場で造られるものではないので、大量生産などで単純なコストダウンはできません。
手っ取り早いのは、工程や手順をかけない方法です。

成果物の品質に関わらないコストダウンなら良いと思いますが、見た目や品質に影響のない部分から、だんだん大事な部分に入ってきて、極端になると手抜工事っていったりします。

実際、現場管理も100%完璧に目を届かせる事は無理でしょうから、最終的には細かい作業のひとつひとつの積み重ね、ひとりひとりの意識に関わってくるんだと思います。
時間に追われ、安い工事をすれば結果は見えちゃいます。

幸いうちのお客様は、取引先の会社の方々も、もちろん個人のお客様も、「お値段も大事だけど品質最優先だよね」ってお客様ばかりなので、昔から変わらずのスタンスでお仕事ができ、いつどこから見られても恥ずかしくない仕事をさせていただいているので、とってもありがたいです。
忙しくなってきていますけど、最近の不正表示の話題から、改めて「兜の緒を締め直そう」と思ったと、まじめな話をしてみました。

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