水まわりの衛生機器類(キッチン、洗面化粧台、便器、手洗器など)を選ぶときに、給水管と排水管の配管と器具の接続位置には「壁接続」と「床接続」があります。
洗面化粧台のキャビネットの中ですが、これがよくある「壁給水+床排水」。
特殊な器具は決まっている場合もありますが、住宅で使われるような機器の場合、どちらかが選べます。
標準は、給水が壁、排水が床って場合が多いですが、両方壁とか両方床とかでも可能です。
壁給水の仕様のものを床にしようとすると別途部品が必要になったり、その逆もあります。
リフォームとかだと、壁給水にしたいけど、壁は工事しないとか、物理的に無理って場合もあったりします。そうで無かった場合は、大抵使い勝手やメンテナンスを考えます。
こちらは、システムキッチンですが、「床給水+床排水」。
予算と工事の段取り(工期短縮)からこちらを採用。
これは洗面化粧台。「壁給水+壁排水」リフォーム工事で家屋の状態から床への施工は止めました。
化粧台のカウンター内が広く使えますね。
標準が壁給水、床排水になっている通り、給水は床にすると、今後の器具の交換などで難しくなる場合がありそうです。また、カウンターの中などはパイプの分狭くなりますし、床給水用の部品が必要になる場合があります。
排水は床接続が一般的ですが、カウンター下などの空間を有効利用したり、お掃除のしやすさなどから壁排水を選択する場合もあります。
トイレなどの汚水管は基本床ですが、マンションや床下空間が無い場合は壁排水って事もあります。
トイレの給水管も、昔は床と壁とありましたが、今の高級便器はブレードホースで接続になっているので、製品自体に区別はありませんが、施工するときはどちらかに決めています。
昔はめっきの給水管が使われていて、位置出しをきちんとやらないと仕上がりが悪くなりました。
(フレキ管とかでグニャグニャ繋いであるのは位置出しが失敗したパターンです。)
昔はこの辺りが設備屋の腕の見せ所だったと思うんですが、最近はホースなので多少のずれはどうにでもなります。
逆に余ったホースのやり場に困ったり(タンクの後ろに隠してみたりします)、見た目が悪いなぁと個人的には思っていますが、設備屋のレベルも下がっている(下がっているのか、そういう商品で下げられたのかな)ので時代の流れで、しょうがないのかなって思います。
ウチでは、わざわざお客様に細かい部分まで確認する事は少ないですが、多少施工しにくくなったり、費用が掛かっても、使い勝手が良くなる方を選びますし、メンテナンスや次の器具の更新の事、トラブルが起こりにくい方を考えて選ぶようにしています。
また、普段見えない部分ですが、キレイに仕上げるように心がけています。
細かい事ですが、ちゃんとこだわっています。
リフォームの現場で、「解体してから注文だそう」って思って、器具品番チェックしていたら、ちょっとそんな事を思いました。