当社のホームページでも紹介しているので、結構検索されて見られているんですが、浄化槽撤去工事について。
検索してみてもあんまりいい情報が出てこないので撤去について少し書いてみます。
僕らの地域では、やっとここ10年ほど前から公共下水道が供用開始され切替え工事が主流ですが、それ以前は水洗トイレを使うには浄化槽を付けるしか方法がないので、当社でも浄化槽の設置の許可をとって、沢山の浄化槽を設置してきました。
今でも供用開始まで待てないお客様や公共下水道の計画がない地域などで浄化槽を設置することがあります。
浄化槽も昔に比べ小さくなり設置しやすくなりましたね。
あ。浄化槽の設置の話は今回はいいですね。
ちなみに実際の工事の様子はこちら。
当社の場合。
全て浄化槽は完全撤去しています。上部に建物が掛かっていて撤去が困難な場合や吊上げるスペースがない場合などそのまま保存する事はありますが、基本的に全て撤去しています。
田舎なので土地の端の方に設置されている事が多く、周囲の掘削や引き上げのスペースに困った事は少ないですが、都会だと難しい場合も多いかもしれません。
浄化槽は下にコンクリート製で自重を支える底板があり、その上に高さ2m位の浄化槽、さらに上部は点検口のまわりにコンクリートが打設されています。この点検口のまわりのスラブコンクリートが地上部にみえています。
駐車場など耐荷重が必要な場所では蓋が鉄製になったり、底板と上部スラブをつなぐように浄化槽の周囲に支柱があります。また浄化槽の設置位置が深い場合は上部スラブが二重構造になっている場合もあります。
古い浄化槽程容積が大きく新しいものほどコンパクトになってきています。
当社ではコンクリート製の底板はさすがに撤去しませんが上部のFRP製などの浄化槽本体、スラブコンクリート、支柱は全て撤去しています。(コンクリートは地中に残っていても悪さをしませんし、分別もひと塊なので簡単です。)
そのまま保管した場合は建替えや造成などいつか土地をいじるような工事の時に一緒に撤去してもらう予定ですが、地中に出ているので、忘れちゃったり、判らなくなっちゃう心配もありません。
当社はお馴染みさんが多いので、僕らで設置した浄化槽を自分たちで撤去する事が多いです。
当時もいい仕事してあるなぁと思ったり、役目を全うした浄化槽を撤去するとちょっと感慨深げになったり!?します。
機械や人力でスラブコンクリートをハツリ壊し、浄化槽周囲を掘削、ある程度掘ると設置の時に使ったフックが出てきますのでそれを重機やクレーンを使って引っ張り上げます。
上部半分のみ解体し穴をあけて埋める業者さんもいらっしゃるようですが、上部半分撤去するために周囲を掘削するくらいなら持ち上げてしまった方が簡単ですし、確実だと思います。
また、細かい事を言うと、たとえ自分の土地であっても地中に廃棄物を埋設する事は廃棄物処理法に触れます。なので僕らから埋めてしまいましょうなんて事は言えません。お客様から「他の業者は簡単に砂を入れて終わらせるって言ってたよ」って言われる事もありますが、ちゃんと説明をしてご理解いただいています。
当社でこの方法でこれまでトラブルになった事はありませんし、お客様に廃棄物処理法うんぬんなんて話をした記憶もありませんが、皆さんご理解いただいて撤去させていただいています。
むしろ、ちょっと撤去は難しいなぁって場合でも、「残しておきたくないから何とか撤去して」って言われる事の方が多いくらいです。
ここまで当社の場合。
そして、一般論として。
思うところ、やはり浄化槽が不要になった場合は撤去してしまった方が安心だと思います。
たとえば親世代から子世代、孫世代と代が替わったり、売買された場合など後々のトラブルの原因になる恐れもありますし、一度埋められた浄化槽を掘りだして、分別する事はもっと費用がかかるでしょう。
費用がない場合は、浄化槽をそのまま残し、バイパスするように配管をして下水道に接続し、今後土地を大きく動かすような時に計画的に撤去する方がトータルの負担は少なくなるはずです。
浄化槽は材質がFRP製だったりするのでリサイクルも難しく、画期的な処分方法が開発されれば別ですが、産業廃棄物の処分代も上がる事はあっても下がる事はないような気がします。
繰り返しになっちゃいますが、上部半分掘削すればあとは持ち上げるだけです。
中身を出して、消毒をして、底を抜いて、なんて手間を考えればむしろ簡単かもしれません。あとは産業廃棄物として処分する費用だけです。
半分撤去しても上部と中身の処分代は掛かるわけですから、残りは下部のみです。
FRPは優れた材料なので地中で分解して小さくなったりしません。
「あとの事は知らないよ」って先送りするなら別ですが、いつか誰かが処分しなければいけませんから。