昨年末に千葉で発生した断水は、1月3日の午前中にすべて解消したようです。
6日間に渡る断水は、使用者の皆さまにもかなりの負担になったでしょうし、復旧や給水作業に当たった方々。本当にお疲れ様でした。
復旧までに時間を要したのは、埋設深が7mと深く口径が250mmと太く湧水が多いのが原因のようです。
年末年始で資材の確保にも時間がかかった部分はあるのかもしれません。
千葉日報
2021年1月3日 13:37
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/753489
富津の断水、5日ぶり解消 悪天候や再度の漏水で難航
2021年1月3日 13:37 | 無料公開
断水からの復旧に向けた地下の送水管掘り起こし作業=30日、富津市昨年末から続いた約4800世帯に及ぶ富津市の断水は3日、水漏れした送水管の修復を終えて全面的に復旧した。
かずさ水道広域連合企業団によると、12月29日から断水が続いた復旧作業は、2日午前0時に完了。送水管内部の洗浄が終わった同市湊、天神山、峰上地域から水道の供給を順次再開し、同日中に1771世帯で断水が解消した。
3日午前10時には、残る竹岡、金谷地域の3099世帯でも断水が解消し、連日開設されていた応急給水所、仮設トイレもすべて閉鎖された。
地下5~7メートルに埋設された送水管を修復する作業は、悪天候や接続後に再び漏水するなど難航し、当初の予定から大きくずれ込んだ。送水管は1984年にJR内房線笹毛踏切の下を通して設置され、振動や地質などによる長年の劣化が漏水の原因とみられる。
かずさ水道広域連合企業団様が詳しい情報を公開しているので、今後の参考にまとめてみます。言えること言えない事あるとは思いますが、細かい状況を公表していただけるのは素晴らしいですね。
12月28日に発生。
30日矢板打ち込み完了、31日早朝H鋼にて切梁。
土留めができたので、ここから本格的に掘削ですね。
31日20時漏水箇所特定、可とう管の劣化。
21時から復旧作業開始。
おそらく配管の口径や管種などはある程度事前にわかっていたと思うんですけど、掘削が終わると配管の状態を確認して、準備した部品が使えるかどうかとか、どうやって復旧するかとか検討し、復旧作業が始まります。
1日4時復旧完了。
4時30分通水開始後漏水発生。
直した部品からなのか、別の場所なのかわかりませんが、経年劣化が原因の場合、全体的に古くなって来ているので、漏水箇所を直すと近くの別の場所から漏水するってのは良くある話です。
少し埋め戻しをしたようなので、その辺わかっておられて、おそらく慎重に通水したんだと思います。
1日15時の時点では復旧作業中。
と同時にバイパス管の施工も行っていたんですね。
おそらく少し手前の部分から分岐をかけて、漏水している先の配管と接続する予定。
1日午後掘削完了。
19時、漏水箇所は対応を検討中。
仮設工事は分岐作業は終了し、配管を伸ばしているようです。
本管口径がφ250㎜なので、仮設管もそれなりの口径になると思うので時間がかかります。
2日午前0時接続完了。
漏水修繕の方が早かったようで、1月2日に接続完了、1時から通水開始。そこから通水と洗管作業に移りました。
送水管を洗浄し、配水池に水をため、配水池の水が綺麗になったのを確認し、各配水管へ水を送り、配水管を洗管し終わったら、各戸給水を開始。という流れ。
それぞれの蛇口で汚れた水を出しきったら使えるようになります。
2回目なのでより慎重に通水されたんだと思います。
2日9時送水管の通水が完了して配水池の貯水も終わり、配水管の通水。
15時別の配水池へも貯水を行い、その先の配水管の通水。
3日6時最後の配水管の通水、10時通水完了。
通水だけで1日半。
区分けしてそれぞれのルートの洗管を行い、さらに送水管ということから、配水池の貯水や洗浄もあったでしょうから、すごく時間がかかっています。
水道局のウェブサイトにもありますが、
断水からの復旧時には、一度空になった本管に水を入れるので、どうしても汚れがでます。それを水で洗い流す作業を行います。(洗管って言っています。)
その洗管をするときに、各戸給水管へ水がまわると、洗管する水が足りなくなったり、汚れがうまく取れなかったりして手間がかかります。場合によっては給水管が詰まる可能性があります。
なので、OKが出るまで我慢してそっとしておくのが一番賢いです。
ここから雑感。
線路を横断するために埋設深が深いのが、復旧に時間がかかった原因。
7mとなると通常の重機だと不可能ですからね。
普通に復旧作業が行われたように書いてありますが、これ年末年始休業中ですからね。
工事店も材料商社もメーカーも全てお休みの期間。
資材だって口径が太いので、そこら辺にはありません。
人員配置したり、電話したり倉庫確認したり出荷したり、すべてに平時より時間や手間がかかっているはずです。
しかも昼夜ぶっ通しです。どういう人員配置で行ったかわかりませんが、すべての人が協力しないと乗り切れないでしょう。
そこがすごいです。
さらに1月3日から今度は仮設の片付けがあったでしょうから、ますます頭がさがります。
てっきり石綿管か線路下なので鋼管で漏水かと思っていましたが、可とう管(配管の動きを吸収する部品で、躯体貫通などの管種が変わるようなところに使います)なんですね。(昔のものなのでどんなものかは分かりませんが)
道路(国道)横断とか、河川横断とか、線路横断とかは、関係機関があるので、布設替工事とかでも後まわしにされやすいです。さらに、線路付近は電食が起こる可能性も高いですね。
想像ですが、布設替えが遅れ電食がプラスされて漏水するってのは可能性とすれば高いと思います。
どっかの自治体が、予防的な更新は費用が掛かりすぎるので、対処療法になるって言ってた気がしましたが、災害は忘れたころにやってくる。タイミングを選びません。
同じ期間断水になったとしても、一番在宅率の高いであろうコロナ禍の年末年始じゃなくてもいいだろうにと思います。
関係者の皆さま、本当にお疲れさまでした。