緊急修繕と水道組合について、ちょっとまじめなお話。
どこの地域でも同じような状況だと思いますが、僕が見聞きしている事なので、地域などによって若干の違いがあります。
どんな業界にも組合と呼ばれる組織はあるんだと思うんですが、ニュースとかで○○組合でこんな活動したよみたいなのが流れて、色んな組合があるんだなぁと驚かされる事があります。
ご多分にもれず水道工事業界にも組合があります。
だいたいが水道局の管轄ごと色々な会社が集まって組織されているんだと思います。
前にも書きましたが、規制緩和の影響で水道局に登録してある水道工事店は山ほど増えました。
うちの地域でも何十から何百って増え方をしています。休眠状態や辞めちゃっているのもありますが、単純に10倍とか増えています。
新しく登録した業者さんは組合に加盟する事は希だと思います。だから、組合に加盟している業者はほとんどがその規制緩和以前に苦労して（昔は指定基準が厳しく大変だったらしいです。）指定工事店として登録し、加盟している業者さんです。
という事は、歴史が長く、道具や機材もそろっていて、建設業の許可や各種資格もちゃんと持ったベテラン技術者がいるハズです。
何より長く安定して仕事をしているって事は、競争にさらされながらも選ばれて続けているって事ですから。
工事の依頼先に迷ったらそういった観点で探していただくのも手かなと。
というか選んで欲しい！！！
道路などで本管が漏水した場合、その組合か、組合加盟店が主に復旧にあたる場合が多いと思います。
規制緩和前に指定工事店になるためには、本管の復旧もできる能力がないと指定工事店にはなれなかったとか。実際15年くらい前までは本管が破裂して漏水、緊急修繕！なんて事は結構ありました。
今は配管が新しい物（鋳鉄管）に変わってきて、緊急修繕は減ってきましたが、その鋳鉄管も耐用年数を迎えようとしていて、インフラ整備が急速に進んだ時代のものなので、更新の時期も一斉にやってくるし、耐震性がないので更新は待ったなし、でも予算が・・・ってたまにニュースなどでも取り上げられています。
このまま行くと緊急修繕が頻繁に起こる時代がまた来るかもしれません。
昨年のような災害が発生した時にまず出動し復旧にあたるのもその組合や加盟店です。
本管が漏水すれば何十件、何百件と断水になったり、断水はしなくても濁り水が発生したりするので、一刻も早く復旧する必要があります。
大きな水道局とかなら工事部とかもあるのかもしれませんが、基本的に水道局は工事をしません。場合によっては普段のメンテナンスも（外部委託で）しません。
なので、緊急修繕の時は、水道局はもちろん出動し、断水範囲を最小限にする処置をとって、広報し場合によっては給水車を出動させます。と、同時に僕らも出動し復旧に当たります。
配管状況を図面で確認し、掘削し、漏水状況の確認と管の種類や口径、配管状況の確認と復旧方法を考え、必要な資材をいち早く確保する。
そして配管。
通水して汚れた水を吐かせ、復旧させる。と、同時に掘削した部分を復旧となります。
それを水道局と工事店が連携して行います。
昔は自分たちで工事をして、自分たちで修理し、自分たちで守っているって感じだったんですが、こちらも入札制度の影響で、今はそこまでではなくなってきています。
うちも含め本管工事から遠ざかってしまった会社も多いです。
ちょっとした緊急修繕だけでも、沢山の人が必要ですし、大騒ぎになります。
水道局も昔と比べ最小限の人で動いています。技術系の仕事で数年毎変わるのはどうかと思いますが、定期的に移動もしちゃいます。管路や配管の工法、設備のノウハウに詳しくなる時間はあまりありません。
昨年のような大規模災害が発生した場合、水道局が災害で混乱している中、山ほどある工事店の中から復旧にあたる会社の規模や人員、重機や機材の確認をしながら手配することは不可能だと思います。
組合に連絡すれば組織として工事店どおし連携しながら復旧にあたる事ができます。
いざとなれば損得とか関係なく使命感で復旧にあたるんですけどね。実際、過去に僕らの組合でも水道事故の時に協力させていただいた事もありました。
さらに組合には、その上部組織にあたる全国管工事業協同組合連合会（全管連）って組織もあり、全国から応援を集める事だってできるんです。
もちろん東日本大震災の時にも活動しています。
昨今の不景気で業者が減り、組合組織が縮小したり、無くなったりしていると聞きます。
ライフラインを支えているって事で、他の業界の組合組織とはちょっと意味合いが違うと思うんですけどね。ホントにいざって時にどうするんだろうって思います。
是非、水道の修理や水まわりのリフォームの際は組合加盟の工事店に相談して下さい。
長文失礼しました。本日はその緊急修繕当番で、先日のトンネル事故もあったので、なにもない事を祈りつつ、思った事をだらだら書いてみました。